リサイクルの買取り屋さんとして働くケイのブログ

三章 初めての古物市場

ある日いつもより早くに出勤し、作業をしているとEさんが声をかけてきた。

今日は、市場の日で俺が出品している物がセリに出るから見にいくか?と言うのだ。

リアルオークションかな!?なんて思いながら一緒に行くことになった。

古物市場は会社から車で30分くらいの所にあった。

会場は、小さな鉄工所ほど大きさの建物で建物の中には数多くの家具や家電、業務用品などが並んでいた。

周りにはヤクザっぽい人たちや、サラリーマン風の人たちなど50人ほどの輪ができていて、笑い声や話し声が入り乱れていた。

その輪の中心には大柄なボスのような人がいる。

その大柄なボスのような人がフリ師といって大きな声でセリを進めて行く人らしい。

午前10:00になるとフリ師が大きな声で「ただいまよりオークションを始めます!」っと声をかけると

なごやかだった空気が一変する。

話し声や笑い声はなく、目の前にはフリ師と荷出しする人たち、そして俺の周りには獣のような目をした買い手の人たちが居た。

しばらくして荷出しする人たちが建物の中から業務用品を台車に乗せて出してきた。
フリ師がその品物の簡単な説明をした後、オークションがスタートした。
始めは5000円くらいのスタートで周りの人たちの声で金額は上がっていく。
一番高い値段を付けた人が落札者となる。

古物市場の利益は売主と買主それぞれから落札金額の数%となっている。
高く売れば売るほど利益が上がるわけだ。

朝方、あんなに笑って話していた人たちもセリが始まると真剣な眼差しで進行を見ている。

セリで落札しようとしてる人たちのほとんどがリサイクルショップのオーナーや仕入れ人であるとEさんから聞かされた。

俺の荷物ももうすぐ出てくるからよく見て勉強しときとEさんは笑いながら言った。

ちなみにEさん、いったい何を出品してるんですかと問うと、家具3つだけと苦笑いする。

なぁ~んだ、そんなの売れるのかよって腹の中で笑ったのを覚えている。

セリが開始されて1時間ほどした頃ついにEさんの家具が出てきた。

当時、見た事もないような・・・普通の家具だった。(笑

するとフリ師が一段と険しい表情で、みんな頑張ってやぁと声をかける。

周りの人たちはシーーーんとしていた。

その後、すぐにセリがスタート!!

10万・・20万・・・どんどん上がっていく。

えーーーーーーw俺だけが口がぽかんと開いた状態!!
周りは必死に落札しようと金額を言い続けていた。

1つ目の家具の落札金額・・・80万円
2つ目の家具の落札金額・・・65万円
3つ目の家具の落札金額・・・70万円

合計:215万円くらいだったと思う。
Eさんは超笑顔で、ありがとうございます。と一礼していたのを覚えている。

無事に落札した人も喜んでいた。

一方、落札できなかった人は今にもブチ切れそうな顔で落札した人をにらんでいた。
あの人、そうとう怒ってますねってEさんに言うと、殴り合いの喧嘩になることもたまにあるからなぁっと話してくれた。
何やら暗黙のルールのようなものがこの業界には存在するんだと少し悟った。

俺が行った時は何事もなく無事に最後までセリは続いて行った。

帰りの車の中で、Eさんが今日は勉強できたか?と尋ねてきた。

俺は古物市場ってどくとくの雰囲気があってちょっとヤバイ所来たなぁって思ったのと
家具3つしか出してないと聞いた時、正直心の中で笑ってしまいましたと答えた。

でも何であの家具があんなに高く・・しかもみんな欲しがってましたよねと言うと

あれね、ドレクセルっていってね、超高級家具なんよ。

あんな状態が良いドレクセルなんて滅多に出てこないからね~っと笑っていた。

一瞬で215万売り上げたEさんだったけど、いつもと変わらない表情で

長年やってると、たまにはこんな事もあるよと車を走らせた。

実はこのドレクセルの話は今でも周りの仲間で語られている話で落札した人、セリで負けた人などが業界で有名な人たちなのである。
あまり書くとバレちゃいそうなのでここまで(笑


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仕事はちょっと珍しい職業ではありますが買取専門のリサイクル屋さんで出張買取りスタッフをしています。
エコログでは、僕が一人前になるまでの物語やリサイクル屋あるある話、買取り日記などを書いて行こうと思います。みなさんどうぞヨロシク!!